ゼロ国債

ゼロ国債の意味

地方自治体に関連する国庫債務負担行為を、一般的にゼロ国債と呼びます。国庫債務負担行為とは、国に、補正予算などにかかる公共事業について対応する財源がないことから、当該年度に関しては地方負担で賄い、翌年度以降に当該年度分も合わせて国費を手当てするという制度です。国の財源不足を理由としているもので、あくまでも当該年度の国費をゼロとして設定するものですので、ゼロ国債は国で発行する借金を意味する「国債」とは異なります。

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ゼロ国債による工事

ゼロ国債という仕組みはなぜ存在し、実際にはどのように使われているのでしょうか。

たとえば長期にわたる公共工事の場合、全体にかかる費用によって業者と契約する必要があります。

ですが、役所の会計は1年限りの歳入・歳出を定める「単年度会計」によることが原則となっています。

その年度の分の予算だけでは金額が足りず、契約することができませんので、翌年度以降は「債務負担行為」という支出の約束を定め、それと併せて工事全体の契約を結ぶのです。

この制度では当年度の歳出から2年目、3年目の歳出限度額を承認するのですが、年度当初から事業を始めるために設けられたものが「ゼロ国債」です。

1年目は事務手続きだけを行い支出がないという意味で「ゼロ」という言葉が用いられています。

ゼロ国債の手続きをとらなかった場合、年度末に予算が成立したからといって次年度がスタートする4月からすぐに工事に着手することができるかというとそうではありません。

一般競争入札の場合、公報登載手続き、入札希望者への工事概要説明会、入札、議会承認、 正式契約というようにいくつもの手順を経てようやく着工へと進みます。

この一連の手続きを年度始めの4月1日から始めるとなると、着工までには数ヶ月を要してしまうことになります。

このタイムラグをなくすものがゼロ国債で、年度内に業者との契約まで済ませば新年度早々から前払金を支出して工事に着工することができます。

また、ゼロ国債は、当該年度の支出を伴わず、翌年度で歳出予算化される事業を前倒しして発注することもできる制度です。

そのため、中小企業にとっては年度始めの4月、5月頃の仕事を確保することができ、年間事業の平準化を図ることができるというメリットがあります。

受注した事業者は資材の購入、人材の雇用といった活動もスムーズに行うことができます。

必要な融資も円滑に受けることができるなど、企業の活動そのものを活発化させるため、景気対策としての効果があるともいえるのです。

因みにゼロ国債と同様な仕組みで「ゼロ県債」、「ゼロ市債」が適用される場合もあります。